髪はあなたを語る。
ツヤツヤ、サラサラの髪。それだけが魅力じゃない。
例えば突然の雨にふられて濡れた髪は時に色っぽく見えるし、
あなたが誰にも見せたくないと思う寝起きのボサボサの髪だって、
あなたのことを好きな人は「無防備な姿が可愛い」と言ってくれるかもしれない。
言葉に出さなくても、髪は話してしまう。
いつも乱れない揃った前髪はあなたの意思の強さ。
いつもより低い位置で髪を結わいている日は、少し疲れているサイン。
髪を見てふと気づく変化がある。
久しぶりに会った友達の髪の長さに、会わずにいた月日を実感したり、
あんなに黒髪にこだわっていた昔の恋人の髪色が少し明るくなっているのを見て、
どんな心境の変化があったのだろうと、なぜか心がざらつく日もある。
髪はあなたを語る。
何もせずただまっさらな髪でいたい日もあるし
高い位置で髪をまとめて沈む気持ちを引き上げたい日もある。
複雑に編み込んでみたり、シンプルにまとめてみたり、まっすぐおろしてみたり、
あなたの心に連動するように、髪ははねたり、潤ったり、柔らかくなったりする。
「髪を切ったのは失恋したから」
「髪は死んだ細胞の集まり」
そんな単純なことじゃない。
誰が何を言おうと髪は生きているし、
髪を切ったのは失恋じゃなくて、好きな人にただ見てほしいから。
毎日24時間楽しむのは難しいから、髪を楽しむことから始めてみる。
自分を丸ごと愛すのは難しいから、髪から愛してみる。
髪はいつも、あなたを語る。